『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』は、スーパーファミコンで発売された名作『ロマンシング サガ2』をベースに、グラフィック、演出、システム面を現代風にブラッシュアップした完全リメイク作品です。HD-2Dによる美麗なビジュアルと、テンポよく遊べる戦闘テンポの進化で、初見プレイヤーから原作ファンまで幅広く注目を集めています。
本作の大きな特徴は、なんといっても「世代交代システム」と「七英雄をめぐる自由な攻略ルート」。どの世代でどの皇帝を継承するか、どの英雄から討伐するか──その選択一つで物語の展開や戦力バランスが大きく変わるため、プレイスタイルは千差万別です。
一方で、そうした自由度の高さゆえに「一体どれくらいの時間があればクリアできるのか?」という疑問を抱くプレイヤーも少なくありません。「ストーリーだけを追えばすぐ終わるのか」「やり込み要素がどこまであるのか」など、本作の“実際のボリューム感”は、プレイ前にはやや掴みにくいのが正直なところです。
この記事では、実際にプレイした体験や他プレイヤーのレビューをもとに、ロマサガ2リベンジのプレイ時間とゲームボリュームの実態を徹底的に検証していきます。原作と比べてどうなのか、リメイクで何が追加されたのか、そして本作をどこまで遊べるのか──ロマサガ2リベンジの「時間」と「密度」を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ストーリークリアにかかるプレイ時間の実態
実際に『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』をプレイしてみると、多くのプレイヤーがまず驚くのはその“じわじわと膨らんでいく”ボリューム感です。序盤こそテンポよく進みますが、物語が本格的に動き出す中盤以降になると、探索・育成・装備調達・戦術の見直しなど、自然とプレイ時間が増えていきます。
結論から言えば、ストーリーのエンディング到達までにかかる平均的なプレイ時間は、およそ50時間前後。プレイスタイルや攻略情報の有無によって多少の差はありますが、一般的にはこのくらいが一つの目安になります。
なぜこんなに時間がかかるのか?
その最大の要因は「七英雄討伐の自由度」と「育成・準備の奥深さ」にあります。
ロマサガ2リベンジでは、七英雄と呼ばれる強大なボスキャラクターをどの順番で倒すかはプレイヤーの自由です。しかし、どのボスも適切な準備がなければ苦戦は必至で、特に終盤のノエル、スービエ、ワグナスあたりは何度もやり直すプレイヤーも少なくありません。
また、バトルにおいて重要な「陣形」や「技」の習得には、戦闘を重ねていく必要があります。技の“閃き”や、成長システムの特性上、戦闘を避け続けることは難しく、自然と戦闘回数が増えていきます。これもまた、プレイ時間の延長につながる大きなポイントです。
初見プレイは遠回りになりやすい
さらに、初見プレイでは「どこに何があるのか」が分からないため、マップを探索する時間が想像以上に長くなりがちです。例えば、帝国大学を設立するには複数のイベントを経る必要があり、その条件に気づかずスルーしてしまうと、重要な研究・開発機能を後回しにしてしまうことも。
特定の皇帝を選ばないと進行しないイベントや、放置しておくとルートが封鎖されてしまうシナリオ分岐もあるため、「取り逃しを避けたい」「後悔したくない」と考えるプレイヤーほど慎重になり、1プレイの密度がどんどん高くなっていきます。
攻略サイトありでも40時間以上は想定
「じゃあ攻略情報を見ながら進めれば時短できるのでは?」と思うかもしれません。実際、イベント条件や効率の良い育成法を知っている状態であれば、ある程度の時短は可能です。
しかし、それでも40時間以上はかかるケースがほとんどです。理由は、戦闘の試行錯誤や技の閃き・陣形集めなど、プレイヤー自身の“運”や“選択”に委ねられる部分が多く、単純に一本道をなぞるだけでは進めない構造になっているからです。
やり込み要素の全容と追加プレイ時間
『ロマサガ2 リベンジオブザセブン』は、ストーリークリアまでで終わらせるにはもったいないほど、やり込み要素が非常に充実した作品です。
一通りエンディングを迎えたあとでも、「もっと遊びたい」「別のルートも見たい」と思わせる要素が数多く用意されており、ここからが本番だという声もあるほどです。
本章では、主なやり込み要素を紹介しつつ、それぞれにどれくらい時間がかかるのかを見ていきます。
七英雄を“真の力”で撃破するために
通常のストーリーでは、七英雄はある程度順番に討伐していけば問題なく進行します。しかし、条件を満たすことで、七英雄それぞれと「強化形態」での戦闘」が可能となることをご存知でしょうか?
たとえば、スービエは海底宮での戦い方によっては第一・第二形態を分けて戦える仕様があり、条件によってはその両方を経由して真ルートに突入可能になります。こうした分岐条件を把握し、すべての七英雄を“完全な姿”で討伐するには、少なくとも10〜15時間の追加プレイが必要となります。
さらに、最終ボスもルートによって強化されるため、真のエンディングにたどり着くには1周では不可能。周回プレイやセーブ分岐の使い分けが必須となります。
クラス・装備・陣形のコンプリート
やり込み派の大好物ともいえるのが、全クラス・装備・陣形の収集です。特定の条件下でのみ仲間になるクラス(女性皇帝でのみ出現するホーリーオーダー女など)や、一定の技術レベル・研究によってしか使えない装備が複数存在します。
また、本作には多数の「陣形」があり、それぞれに特性があります。代表的なものだけでも以下のような効果があります:
- タイガーブレイク:攻撃集中型
- スペキュレイション:器用さ重視
- デザートランス:防御に特化
- スカイハイ:術法使い用
これらをすべて集めて使い分けられるようにするには、特定の敵と戦い続けて“陣形メモ”をドロップさせたり、訓練所や研究所を最大まで発展させたりと、相当な時間と労力が必要です。人によってはこの要素だけで20〜30時間以上追加で費やすことになります。
継承ルートの検証と内政のやりこみ
「どの皇帝を選ぶか」で物語の見え方が変わる──これはロマサガ2リベンジ最大の醍醐味の一つです。
皇帝候補には性別・職業・能力値に違いがあり、代替わりを重ねていくことで特定のクラスイベントやスキルルートが発生することも。また、年代の進行によって登場する敵やイベントが変化することもあり、1周では到底把握できません。
さらに、帝国大学や武器開発、技道場といった内政要素もあり、「どの技を優先して研究するか」「どのクラスを重点的に育てるか」といった戦略的なプレイも可能。これらをじっくり極めようとすると、追加で20〜40時間のやり込みが視野に入ってきます。
やり込みの「終わり」が見えない作り
本作の魅力は、「終わったと思ってからが本番」というプレイヤーの声が多いこと。戦闘バランスの高さ、絶妙な難易度設定、そして自由な成長システムが、繰り返し遊びたくなる仕組みとして機能しています。
最適解を求める理詰めのプレイも、ひらめきを楽しむランダム性の高いプレイも、どちらも成立するのがロマサガ2リベンジの面白さです。
プレイスタイル別に変わるボリューム感

『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』は、どのように遊ぶかによって、プレイ時間やボリュームの感じ方が大きく変わります。
本作は一本道のRPGではなく、イベントの発生順、皇帝の選び方、戦闘スタイル、探索の度合いなどによって、プレイヤーごとにまったく異なる体験が生まれるのが最大の特徴です。
この章では、プレイスタイルをいくつかのタイプに分けて、それぞれが感じるボリューム感やプレイ時間の傾向を整理していきます。
ストーリー重視派:35〜45時間前後
ストーリーの進行を最優先にし、寄り道をせず七英雄討伐を目的に進めていくプレイヤー層です。攻略情報を参考にしながら要点だけを押さえて進めれば、40時間を切ることも可能ですが、初見プレイの場合はどうしても育成や試行錯誤に時間がかかるため、実質は35〜45時間がボリュームの目安です。
- 強敵に何度か挑みなおす場面はあるが、基本的には一直線で進行
- 陣形・装備・術のバリエーションは最小限
- イベントの取り逃しやシナリオ分岐は気にしない
このプレイスタイルでも、ストーリーの中盤以降は選択肢が増えるため、一本道のRPGと比べると自由度の高さをしっかり味わえます。
寄り道&探索好き派:50〜65時間
「せっかくだから全部の街を巡りたい」「使っていないクラスも試してみたい」「技や陣形は揃えたい」──こうしたプレイヤーにとって、ロマサガ2リベンジは時間を忘れて没頭できる作品です。
特に以下のような行動を取る人は、プレイ時間が一気に伸びます:
- 術法研究所を活用し、全系統の術を育てる
- 詩人のイベントを追って、物語の深層に触れようとする
- 全七英雄の“完全形態”での撃破を狙う
- 地域制圧や国力発展など、内政にもこだわる
こうしたプレイをしていれば、自然と60時間を超えるプレイ時間になりますが、コンテンツの消化率は非常に高く、満足度も比例して高まる傾向にあります。
効率重視&周回プレイヤー:20〜30時間(2周目以降)
一度クリアした後、攻略知識を活かして2周目・3周目を楽しむタイプのプレイヤーです。選択肢の結果やフラグ管理を理解した上でプレイするため、必要なルートだけを押さえて短時間で進行することが可能になります。
- イベントの取捨選択が正確
- 陣形や装備の優先順位が明確
- 育成も効率化されており無駄が少ない
このようなプレイでは、1周あたり20〜30時間ほどでクリア可能です。特定のトロフィーを狙ったり、異なる皇帝ルートを検証する目的で、サクッと短時間プレイするのに向いています。
全網羅&コンプ勢:100時間超えも珍しくない
最後に紹介するのは、いわゆる「やりこみ勢」。クラス・装備・技・術・陣形すべての収集を目指し、イベントも全分岐を網羅、全七英雄の完全討伐や最強ボスへの挑戦まで行う層です。
- 複数のセーブデータで進行パターンを分岐管理
- クラスごとの閃きや技性能を検証
- 全トロフィー/実績の達成を目標とする
このプレイスタイルでは、平気で100時間を超えるプレイ時間になることもあります。しかしその分、ゲームの奥深さや作り込みを存分に味わえるため、ロマサガシリーズの醍醐味を最も深く体験できる層とも言えます。
まとめ

『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』は、ただ物語を追うだけでも十分なボリュームがあり、平均的なクリア時間はおよそ50時間前後と、RPGとしてはかなり密度の高い内容です。
さらに、七英雄の完全討伐やクラス・陣形・術法のコンプリート、皇帝継承ルートの検証、内政の発展など、やり込み要素も非常に充実しており、100時間以上プレイする価値がある作品といえるでしょう。
自由度が高く、プレイヤーごとに異なる帝国の歴史が生まれるのも本作の大きな魅力です。初見でも原作経験者でも、きっと「自分だけの物語」を楽しめるはず。長く遊べる骨太なRPGを求めている人には、間違いなくおすすめできる一作です。
基本情報
タイトル | ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン |
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ジャンル | RPG(ロールプレイングゲーム) |
開発元 | スクウェア・エニックス |
対応機種 | Nintendo Switch / PlayStation 5 / PlayStation 4 / Steam |
発売日 | 2024年10月24日 |
プレイ人数 | 1人 |
特徴 | HD-2Dリメイク、自由な世代交代システム、戦略性の高い陣形・閃きシステム、七英雄との宿命の戦い |
想定プレイ時間 | 約40〜60時間(通常クリア)、最大100時間以上(やり込み含む) |